失われた時を求めて

読書に始まる自伝的ブログ

『世界は「関係」でできている』(カルロ・ロヴェッリ、2021)

最近、集中力がないし、感動することが少なくなってきてしまった気がします。いや、感動するシーンも多いし、語りたいな・共有したいなと思うことも少なくはないのですが、言語化することの無意味さというか、感情を言葉にする際に理性を通すことで、ちょっ…

『未必のマクベス』(早瀬耕、2017)

水曜日にブリッジ的な休暇があったおかげで、睡眠習慣が改善され、体調がよくなりつつあります。運動をしたことも影響している気がして、睡眠と運動の大切さを実感しています。木曜日は皇居ランをして、昨日は松戸で10kmランニングし、今日も今日でラグビー…

『喧嘩独学』(原作:T.Jun、作画:金正賢、2019)

ここ2か月くらいはは激務of激務の影響か、平日はバキバキに働いて、しこたま飲んで、土日は溶けるように寝るだけという超不健康生活を送っていました。土曜日…昼まで寝て夜は飲む、日曜日…昼に起きて、ごはんを食べてゆっくりお風呂に入りまた寝て起きたら夜…

『LOVE理論』(水野敬也、2019)

私は最近エグいモテる…気がします。私はずっとナルシストで、「お前ほどめでたいやつはいない」と良く言われる人間ではあったのだけど、最近は人生七度目くらいのモテ期が来ているように感じます。 そのことをブログに書きたいなと思った際に、適した本が思…

『三島由紀夫レター教室』(三島由紀夫、1991)

家にモノが増えて来て整理をしていました。本は特に溜まりがちで、山積みにされているものを人に譲ったり、追加したカラーボックスに入れたり、そんな週末です。昔、カズレーザーが「一度読んだ本は処分する。また読む時は買えばいいし、読み返す本は少ない…

『金魚王国の崩壊』(模造クリスタル、2013~)

『堕天作戦』の記事を書いているときに、「そういえば、『金魚王国の崩壊』ってまだ更新されているのかな」と気になって、久しぶりにみにいきました。小学生の話だという記憶でしたが、主人公のみかぜちゃんは進学して、まだ悩み生きていました。 www.goldfi…

『堕天作戦』(山本章一、2015〜)

昔コミックアプリで見つけて面白かった漫画です。「そういえば新刊出たのかな」と思って調べたら、Kindleで7巻までの新しい巻が出てて久しぶりに手に取りました。面白くて、昔読んだ分も合わせて買ってしまいました。 堕天作戦 1 作者:山本章一 Amazon 退廃…

『オデュッセイア』(ホメロス他、紀元前800年前後)

最近、どんどんドラマや映画を見られなくなっているように感じます。村上春樹の名言と認識している言葉で、「時のふるいにかけられていないものに目を通す暇はない」みたいな言葉があった気がしたのですが、そんな感覚で「出来の悪い造り物を摂取しても、何…

『人生がときめく片づけの魔法』(近藤真理恵、2011)

2024年になってしまいましたが、2023年は良い年でした。仕事もうまくいったし、プライベートも充実して楽しかったし、言うことはない年でした。2024年はもっと良い年にすべくぼちぼち頑張ろうかなと思います。 人生がときめく片づけの魔法 改訂版 作者:近藤…

『人新世の「資本論」』(斎藤幸平、2020)

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。 年越しは最近は知り合いの店で越すことが多く、そういえば親戚や家族とは越していないです。おばあちゃんが亡くなり、保険の仕事をやめてお金を借りに行く理由がなくなって、実家に寄り付…

『読書』(西田幾多郎、1938)

最近も”読書”はしているのですが、ブログを書くモチベーションというか書こうというスイッチが入らずにいます。自分の中の言明しがたい何かドロドロしたものを書くようなのが、私のブログを書く源泉でしたが、いまはあまりそんなものがなくなってきた気がし…

『闇金ウシジマくん』(真鍋昌平、2004)

最近、YouTubeのボイス漫画で出てるのを見つけて、久しぶりに読み返しました。高校と大学の頃読んで、「こうはなりたくないな」とか「こんなことあるんか!?」みたいに考えたものの、いま改めて読むと沁みますね… 闇金ウシジマくん(1) (ビッグコミックス…

『死に至る病』(キルケゴール、1849)

今日も今日とてクソみたいな人生を送っております。お酒を飲みすぎて海馬が委縮しているのか、無理がたたって昨日は24時間のうち17時間を睡眠に費やしておりました。上を向いて、テキーラを口に注いでもらう遊びを思いついて楽しんでいたし、翌日も普通に仕…

『「いき」の構造』(1930、九鬼周造)

うちではクサガメを飼っていまして、最近の寒さに辛そうです。変温動物は季節の変化に敏感です。ベランダの広々としたビオトープ的な暮らしをいったんやめて、屋内の暖かい水槽を用意してあげなければいけません。 そんなこんなで今週の三連休はゆっくり掃除…

『私に売れないモノはない!』(ジョー・ジラード、2004)

「モノを買うということは、価値と価値の交換である」 そんなことを保険募集人の頃に教わりました。無形商材で、高額で、そして納品は亡くなったあと自分以外の誰かにされる。こんなに価値の伝えにくいものはないが、国民のほとんどがいつかは購入するのです…

『DOPE SICK― アメリカを蝕むオピオイド危機―』(ベス・メイシー/著・神保哲生/訳、2022)

久しぶりに夢を見た。きっとお酒を飲みすぎて眠りが浅かったのだと思う。幸福な感情は、現実に感じる嘔吐感と頭痛にてかき消されていく。薄れて消えていく記憶、しかも夢と現が交差しており、現実と照合して復元する作業をしないと、その出来事が夢なのか現…

『礼讃』(木嶋佳苗、2015)

私は凶悪事件や少年犯罪に対して、昔から興味がありつつも、でも犯罪者心理を紐解いて共通項を見つけたり育ちの異常性を明らかにするようなワイドショー的な論調は嫌いだし、かと言って同情して更生や再発防止を議論するのも好きではないです。純粋に「どう…

『あやうく一生懸命生きるところだった』(ハ・ワン、2020)

また風邪をひきまして、会社を休みました。お盆前まで仕事が忙しく、お盆はたらふく休んで飲んでの日々でした。お盆明けたと思ったら、お盆前に断ってた飲み会が一挙に押し寄せて、飲み会の毎日。「そろそろ仕事しようかな」と思った矢先に風邪を引いたので…

『マチネの終わりに』(平野啓一郎、2016)

平野啓一郎は高校生の頃に『日蝕』というあえて文語体で書かれた小説を読んだ以来で、『滴り落ちる時計たちの波紋』と共にたまたま出会って手に取りました。三島由紀夫のような華美な文章をかみしめていくような話だった記憶はあって、話も結構グロかった記…

『逆境こそ光輝く機会なり―今から始まるAPAの世界戦略―』(元谷外志雄、2016)

お盆は青春18きっぷの旅に出てまして、とても有意義でハッピーでエキサイティングで最高の5日間でした。そこでの出来事や感じたことも記憶が消えないうちに書き記したいなという想いもあります。 その前に全国各地のアパホテルに泊まり元谷さんの本を購入し…

『ハンチバック』(市川沙央、2023)

芥川賞受賞のインタビューに感銘を受けて朝の上野駅ですぐさま購入し、朝のうちに読み終えました。面白いというより嫌な気持ちになることが多い小説ですが、好きなタイプの小説でした。自身が言語化できていなかった感情や、体験しえなかった感覚を、読書を…

『飛べない蛙』(金柱聖、2018)

最近はYouTube効果で、脱北者の方のお話を知る機会があり、それきっかけで本を読むことが多いです。その一連で出会った本です。 跳べない蛙 北朝鮮「洗脳文学」の実体 作者:金柱聖 双葉社 Amazon 著者はいわゆる帰国者で、少し前に書いた川崎栄子さんと同様…

『熔ける』(井川意高、2017)

暑さで溶けそうになりながらやYou Tubeを見て、週末の昼間の時間を無為に溶かす。やっと外に出ても良いかなと思える夜、溶かした色々を取り返そうと思って盛り場に繰り出す。お金と記憶を溶かして、また月曜日を迎えるわけです。 You Tubeを見ているときに、…

『武士道』(新渡戸稲造、1899)

私の中学生のころのバイブルに再会しまして、久しぶりに手に取りました。 武士道 (岩波文庫) 作者:新渡戸 稲造,矢内原 忠雄 岩波書店 Amazon 『武士道』(新渡戸稲造、矢内原忠雄訳、岩波文庫青118-1、2011年) いまはちょうどジブリの「君たちはどう生きる…

『僕は「脱北」YouTuber』①(キム・ヨセフ、2022)

私は街録chとかの影響で、最近北朝鮮の話や脱北YouTuberの話をよく観ています。そのなかでキム・ヨセフさんという方のYouTubeがめちゃ好きで、本も読ませていただきました。 僕は「脱北YouTuber」~北朝鮮から命がけで日本に来た男~ 作者:キム・ヨ…

『暗闇のトンネル』(川崎栄子、2021)

最近は社会人人生で一番忙しいくらい忙しくて、海の日の週末も半日くらいは仕事をしていますが、ここ3週間くらいで久しぶりにスキマができて情緒のスイッチが入り、ブログを書く気分になりました。 私はYoutubeの街録chが好きですが、そこで脱北者の川崎栄子…

『歴史の終わり』(フランシス・フクヤマ、1992)

" data-en-clipboard="true">2023年6月24日から俄かにロシアとウクライナの戦争が大きく動いたように、ニュースを見ていて感じました。ロシアの民間軍事会社であるワグネルがロシアに反旗を翻して首都モスクワに向けて侵攻するというニュース、プーチンが搭…

『ヒキコモリ漂流記』(山田ルイ53世、2015)

私は髭男爵の山田ルイ53世のルネサンスラジオをPodcastに出会った中学校の頃から断続的に聞いていて、発売した大学生のころに読んだ本です。最近、男爵がYouTubeの街録チャンネルに出ているのを見て、パラパラと読み返した次第です。 ヒキコモリ漂流記 完全…

『テレフォン人生相談――心の仮面をはずそう――』(加藤諦三、2022)

いま家賃三万円の我が家は足場を組んで外壁修繕工事をしており、タダでさえ日光の供給の少ない梅雨時により一層陰鬱の影を落とし、週末に布団が干せない苛立ちが身を焦がします。立ち上がってネットワークビジネスのごつい浄水器から出てくる水を飲み、金曜…

『失われた時を求めて』②(マルセル・プルースト、1919)

今週のお題「読みたい本」ということで、未だに半分程度しか読み終えていないにもかかわらず、私の人生に大きな影響を与えたこの小説を挙げさせていただきます。世界一長い小説であるマルセル・プルーストの『失われた時を求めて』です。 新潮モダン・クラシ…