失われた時を求めて

読書に始まる自伝的ブログ

カール・マルクスになりたかった話

『金魚王国の崩壊』(模造クリスタル、2013~)

『堕天作戦』の記事を書いているときに、「そういえば、『金魚王国の崩壊』ってまだ更新されているのかな」と気になって、久しぶりにみにいきました。小学生の話だという記憶でしたが、主人公のみかぜちゃんは進学して、まだ悩み生きていました。 www.goldfi…

『人新世の「資本論」』(斎藤幸平、2020)

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。 年越しは最近は知り合いの店で越すことが多く、そういえば親戚や家族とは越していないです。おばあちゃんが亡くなり、保険の仕事をやめてお金を借りに行く理由がなくなって、実家に寄り付…

『飛べない蛙』(金柱聖、2018)

最近はYouTube効果で、脱北者の方のお話を知る機会があり、それきっかけで本を読むことが多いです。その一連で出会った本です。 跳べない蛙 北朝鮮「洗脳文学」の実体 作者:金柱聖 双葉社 Amazon 著者はいわゆる帰国者で、少し前に書いた川崎栄子さんと同様…

『暗闇のトンネル』(川崎栄子、2021)

最近は社会人人生で一番忙しいくらい忙しくて、海の日の週末も半日くらいは仕事をしていますが、ここ3週間くらいで久しぶりにスキマができて情緒のスイッチが入り、ブログを書く気分になりました。 私はYoutubeの街録chが好きですが、そこで脱北者の川崎栄子…

『歴史の終わり』(フランシス・フクヤマ、1992)

" data-en-clipboard="true">2023年6月24日から俄かにロシアとウクライナの戦争が大きく動いたように、ニュースを見ていて感じました。ロシアの民間軍事会社であるワグネルがロシアに反旗を翻して首都モスクワに向けて侵攻するというニュース、プーチンが搭…

『ヒキコモリ漂流記』(山田ルイ53世、2015)

私は髭男爵の山田ルイ53世のルネサンスラジオをPodcastに出会った中学校の頃から断続的に聞いていて、発売した大学生のころに読んだ本です。最近、男爵がYouTubeの街録チャンネルに出ているのを見て、パラパラと読み返した次第です。 ヒキコモリ漂流記 完全…

『テレフォン人生相談――心の仮面をはずそう――』(加藤諦三、2022)

いま家賃三万円の我が家は足場を組んで外壁修繕工事をしており、タダでさえ日光の供給の少ない梅雨時により一層陰鬱の影を落とし、週末に布団が干せない苛立ちが身を焦がします。立ち上がってネットワークビジネスのごつい浄水器から出てくる水を飲み、金曜…

『笑って人類!』(太田光、2023)

私は爆笑問題の太田光ファンでして、ラジオで話をされているのを聞いてすぐさま手に取りました。 笑って人類! (幻冬舎単行本) 作者:太田光 幻冬舎 Amazon 面白くて一気に読み、その勢いでAmazonのレビューを勝手にブログ化してしまいました。 太田総理 私は…

『勝者の思考回路―成功率100%のブランドプロデューサーの秘密』(柴田陽子、2020)

林先生の初耳学に出演されているのを先輩がお話してて、興味を持って動画を見ました。すごい人だなと思い、もっと考えを知りたいなと思って本も手に取りました。もっと仕事必死にやって、楽しもう。そう思わせてくれる読書体験でした。 [初耳学の公式動画]…

『トリックスターから空へ』(太田光、2009)

年明けから年度末で不動産がやたら動くのと、歓送迎会シーズンとで、ありがたいことに忙しくさせていただいています。もう少し忙しい時期は続くと思うのですが、楽しいゴールデンウィークに向けてもう少し仕事を頑張ろうと思います。人生に余白がないとエモ…

『ホーキング、ブラックホールを語る』(スティーブン・W・ホーキング、2020)

高校の頃、私は文系で数学も物理もあまり得意ではなかったですし、好きでもなかったです。そんな私に数学や物理学の面白さを教えてくれたのはホーキング博士の『ホーキング宇宙を語る』でした。当時は大学一年生くらいだったと記憶していますが、最近たまた…

『22世紀の資本主義』(成田悠輔、2022)

私は基本的に本は紙で読みたいなという主義で、どうしてもページが行ったり戻ったりして読み返すのが電子書籍ではやりにくいなと思うのです。しかし新書やビジネス本はkindleで読むのに向いてるし、価格も安いし良いなと思うようになったし、マーカーやメモ…

『暇と退屈の倫理学』(國分功一郎、2021)

暇だなと思ってアポイントの合間に日本橋の丸善をぶらぶらしているときに見つけました。サラリーマンに戻ってから毎日暇な感覚があって、そんな私が求めていたタイトルだったのでしょう。 暇と退屈の倫理学(新潮文庫) 作者:國分功一郎 新潮社 Amazon キャ…

『美と共同体と東大闘争』(三島由紀夫・東大全共闘、2000)

私はあまり映画を観ないんですが、この映画は2回観ました。書籍版というかほぼ映画の文字起こしを見つけまして、かなり興奮して一気に読み切りました。 美と共同体と東大闘争 (角川文庫) 作者:三島 由紀夫,東大全共闘 KADOKAWA Amazon 三島由紀夫vs東大全共…

『春の雪(豊饒の海 第一巻)』(三島由紀夫、1969)

冬になると内省的なモードに入っていきまして、2023年を目前に2023年/27歳をどう過ごすかを考え、人に話して、整理するという作業を始めています。 20代をどう過ごすかを考えるなかで、「27歳で人生が終わるかもしれないな」という昔から抱いている感覚が昔…

『図解日本アムウェイ』(日刊工業新聞社編、2015)

以前話したことがあるかもしれないですが、私は目のキラキラしたガーシーにエロい幼稚園の先生をアテンドされ、浄水器を買う運びとなり、某マルチ商法のネットワークの末端に組み込まれております。そのマルチ商法から逮捕者が出て業務停止になったとのこと…

『人生論』(トルストイ、原卓也訳、1975)

『戦争と平和』で有名なトルストイのエッセイというか論考で、たまたまBOOKOFFで見つけて手にとりました。ロシア文学の古い訳本を買うとだいたい原卓也訳のものに出会うことになるけれど、やっぱり難解でした。それでも読み進めていくと、ちょうど考えてたこ…

『勝手にふるえてろ』(綿矢りさ、2010)

『蹴りたい背中』を読み返してから、綿矢りさに虜だ。読み漁っています。 嫌なところに気づくなというか、言語化できていない感情を教えてくれる。会話のリズムも私と同世代の平成の文体で、読んでいて同じ速度で感情や思考が動く感じもして心地よいです。 …

『それでも日々は続くから』(燃え殻、2022)

今年の春に書店で出会ったエッセイ本で、読まずに置いてあったのを見つけて読みました。 色々疲れてくると余裕がなくなってきて、自分が悲劇の主人公になったような気持ちになったり、そこまでいかなくても自分ほど繊細だったり苦労している人はいないんじゃ…

『おいしいごはんが食べられますように』(高瀬隼子、2022)

芥川賞受賞作品、現代に求められる小説。ムカつく小説だなと思いつつ、共感してしまうことに空恐ろしさも感じる小説でした。 おいしいごはんが食べられますように 作者:高瀬隼子 講談社 Amazon 主要な登場人物は3人で、優秀な若手男性社員の二谷、身体が弱い…

『二十歳の原点』(高野悦子、1971)

日経新聞でこんな記事がありました。 1969年前後、学生運動時代に生き、自殺した女性の日記を書籍化したものとのことです。 「二十歳の原点」孤独な闘い 読み継がれる全共闘の青春:日本経済新聞 普通の大学生。 社会の不条理を許せず観念の世界で闘ったり、…

『家族喰いー尼崎連続変死事件の真相ー』(小野一光、2013)

半年前位に何となく手に取り読んだ本なんですが、高槻の保険金殺人のニュースを見て、パラパラとめくりながら色々と考える今日この頃でございます。 尼崎の事件は、当時本当に衝撃的で、主犯の角田が留置所内で自死したことで、真相は闇に包まれたままの事件…

『「ぴえん」という病』(佐々木チワワ、2021)

新宿歌舞伎町、TOHOシネマズ横を通称"トー横"と呼ぶそうですが、昨今そんな"トー横"で誘拐や暴行、悲惨な殺人事件をニュースで耳にする機会が増えました。そんなこんなでちょっと気になっているさなかにKindleのセールで販売してるのを目にして手に取りまし…

『幸福な王子』(オスカー・ワイルド、1888)

昔から好きな小説で、確か小学校が幼稚園の頃に童話聞いた気もします。中高生になって文学少年的な気質が増すなかで読み返すと、また違った感覚を覚えました。そして大人になって読むとまた違った思考に至る。そんな不思議な小説です。 幸福な王子―ワイルド…