失われた時を求めて

読書に始まる自伝的ブログ

ルポ

『DOPE SICK― アメリカを蝕むオピオイド危機―』(ベス・メイシー/著・神保哲生/訳、2022)

久しぶりに夢を見た。きっとお酒を飲みすぎて眠りが浅かったのだと思う。幸福な感情は、現実に感じる嘔吐感と頭痛にてかき消されていく。薄れて消えていく記憶、しかも夢と現が交差しており、現実と照合して復元する作業をしないと、その出来事が夢なのか現…

『礼讃』(木嶋佳苗、2015)

私は凶悪事件や少年犯罪に対して、昔から興味がありつつも、でも犯罪者心理を紐解いて共通項を見つけたり育ちの異常性を明らかにするようなワイドショー的な論調は嫌いだし、かと言って同情して更生や再発防止を議論するのも好きではないです。純粋に「どう…

『飛べない蛙』(金柱聖、2018)

最近はYouTube効果で、脱北者の方のお話を知る機会があり、それきっかけで本を読むことが多いです。その一連で出会った本です。 跳べない蛙 北朝鮮「洗脳文学」の実体 作者:金柱聖 双葉社 Amazon 著者はいわゆる帰国者で、少し前に書いた川崎栄子さんと同様…

『僕は「脱北」YouTuber』①(キム・ヨセフ、2022)

私は街録chとかの影響で、最近北朝鮮の話や脱北YouTuberの話をよく観ています。そのなかでキム・ヨセフさんという方のYouTubeがめちゃ好きで、本も読ませていただきました。 僕は「脱北YouTuber」~北朝鮮から命がけで日本に来た男~ 作者:キム・ヨ…

『暗闇のトンネル』(川崎栄子、2021)

最近は社会人人生で一番忙しいくらい忙しくて、海の日の週末も半日くらいは仕事をしていますが、ここ3週間くらいで久しぶりにスキマができて情緒のスイッチが入り、ブログを書く気分になりました。 私はYoutubeの街録chが好きですが、そこで脱北者の川崎栄子…

『美と共同体と東大闘争』(三島由紀夫・東大全共闘、2000)

私はあまり映画を観ないんですが、この映画は2回観ました。書籍版というかほぼ映画の文字起こしを見つけまして、かなり興奮して一気に読み切りました。 美と共同体と東大闘争 (角川文庫) 作者:三島 由紀夫,東大全共闘 KADOKAWA Amazon 三島由紀夫vs東大全共…

『「がんになって良かった」と言いたい』(山口雄也+木内岳志、2020)

昨年の東洋経済の記事で知って衝撃をうけました。 toyokeizai.net 「生きるからには、誰もが生きやすい世の中になるように、日々誰かに良い影響を与えるために時間使っていきたい」という私の人生テーマは、山口雅也さんのブログやこの本をきっかけに明瞭化…

『家族喰いー尼崎連続変死事件の真相ー』(小野一光、2013)

半年前位に何となく手に取り読んだ本なんですが、高槻の保険金殺人のニュースを見て、パラパラとめくりながら色々と考える今日この頃でございます。 尼崎の事件は、当時本当に衝撃的で、主犯の角田が留置所内で自死したことで、真相は闇に包まれたままの事件…