失われた時を求めて

読書に始まる自伝的ブログ

幼少期の思い出

『ハンチバック』(市川沙央、2023)

芥川賞受賞のインタビューに感銘を受けて朝の上野駅ですぐさま購入し、朝のうちに読み終えました。面白いというより嫌な気持ちになることが多い小説ですが、好きなタイプの小説でした。自身が言語化できていなかった感情や、体験しえなかった感覚を、読書を…

『夜に星を放つ』(2022、窪美澄)

昨年の直木賞受賞作品で、本屋で平置きされているのを買って、そのまま家で平置きして一年くらい寝かせてしまいました。ゴールデンウィークは暇で、本を読むか友達の仕事を手伝ったりで、ちょうど読書とブログ日和な日々を過ごしております。 夜に星を放つ (…

『桜の樹の下には』(梶井基次郎、1972)

2022年11月、母方の祖父の葬儀がありました。今生の別れというものはいくら経験しても慣れませんが、葬儀自体はとても良い葬儀でした。そのことは日を改めて書き記そうとは思うのですが、様々な感情の起伏があり陰のモードというか闇のモードというか、文学…

『ゾウの時間ネズミの時間ーーサイズの生物学』(本川達雄、1992)

最近ジムに通い始めました。 前段として、ここ1年で10kg太ってしまって、何かと身体が辛いというところの緩和策として、ランニングとバスケを始めました。ところがバスケで膝の靭帯の古傷を開いてしまい、運動する方策を見失い、上半身を鍛えたり、膝への負…

『亜人』(桜井画門、2012-2021)

このブログで漫画を取り上げるのは初めてですが、絵本も取り上げているので良いでしょう。今年のはじめくらいにたまたま知った作品でどハマりしました。 亜人(1) (アフタヌーンコミックス) 作者:桜井画門,三浦追儺 講談社 Amazon 2021年の年末年始私は過…

『三体』(劉慈欣、2019)

流行っていると聞いて1年前くらいに購入したまま置いてありましたが、暇になったのでふと思い出して読み始めたら止まらなくなり、全巻購入して読み進めております。 三体 作者:劉 慈欣 早川書房 Amazon 歴史とSFとワクワクする面白さです。一番ネタバレが面…

『痛みの作文』(ANARCHY、2017)

ANARCHYの自伝エッセイ。ANARCHYは本当にカッコよくて、声が反則だと思う。ズルい。セクシーでクールで。 痛みの作文 (ちくま文庫) 作者:ANARCHY 筑摩書房 Amazon 自伝を読んでても、やっぱりANARCHYはずっと嘘をつかない、本音しか言わない漢だなと思います…

『ヒップホップ・ドリーム』(漢a.k.aGAMI、2019)

私が大学生の頃、「フリースタイルダンジョン」というテレビが流行しており、ヒップホップやラップというカルチャーに衝撃を受けるとともに、ハマるきっかけになりました。モンスター漢a.k.aGAMIとチャレンジャー晋平太との闘いで語られるヒップホップの現場…

『高瀬舟』(森鷗外、1916)

青空文庫を見ていると、非常に懐かしいタイトルをみつけ、思わず手にとってしまいました。それが森鷗外の『高瀬舟』で、小学生の頃に読んだことを思い出しました。中学受験や大学受験というのは、よく出る作家というのが決まっており、森鷗外は中学受験のよ…

『十字架』(重松清、2009)

この本との出会いは小学生の頃、教材で使われてたものと記憶しています。中学受験の勉強をしていたのですが、重松清はよく教材に使われていた気がします。 中学校のいじめと自殺をテーマとした小説で、いじめを苦に自殺したフジシュンと、遺書に書かれた4人…

『西の魔女が死んだ』(梨木香歩、1994)

久しぶりに読みました。小学生か中学生の頃、教材で使われてたものから興味を持って、図書館で借りて読んだ記憶があります。26歳になって読むと、当時の記憶や感情が思い起こされるということに加え、いま向き合っている課題に対しての処方箋として機能する…