失われた時を求めて

読書に始まる自伝的ブログ

恋の話

『マチネの終わりに』(平野啓一郎、2016)

平野啓一郎は高校生の頃に『日蝕』というあえて文語体で書かれた小説を読んだ以来で、『滴り落ちる時計たちの波紋』と共にたまたま出会って手に取りました。三島由紀夫のような華美な文章をかみしめていくような話だった記憶はあって、話も結構グロかった記…

『恋することと愛すること』(遠藤周作、2005)

最近ブログの更新をさぼってしまいました。忙しいというのもありますが、文学少年的なスイッチが入らず書く気力がなかったのです。今日は早めに仕事を上がって、銭湯に入ってきました。そうすると体温も上がってクラブで踊りたいくらいの気持ちになってきた…

『妖術』(泉鏡花、1911)

泉鏡花は昔から好きで、文学への興味、演劇への興味はどちらも泉鏡花から発していると思います。青空文庫もKindle版で読むと、メモもかけるし、読みやすいしいいですね。 妖術 作者:泉 鏡花 Amazon 図書カード:妖術 雨の日に美女と相合傘をしながら、楽しい…

『勝手にふるえてろ』(綿矢りさ、2010)

『蹴りたい背中』を読み返してから、綿矢りさに虜だ。読み漁っています。 嫌なところに気づくなというか、言語化できていない感情を教えてくれる。会話のリズムも私と同世代の平成の文体で、読んでいて同じ速度で感情や思考が動く感じもして心地よいです。 …

『David Beckham:My Side』(デイヴィッド・ベッカム、2003)

私はサッカーのことは余り詳しくないんですが、小学校の音楽の先生がベッカムマニアでいつもしゃべっていたことを何故か記憶していて印象に残っておりました。そんな薄い印象付けがずっと残っているなかで、手に取り思い出した本です。 D・ベッカム自叙伝 ベ…

『餅』(岡本かの子、1933)

いくつかネタは温めているものの、重たくなってしまい貯めております。新たなネタ・気付きを得るために、青空文庫を漁っていると、目にとまったこの本に手を取りました。 正月、新婚の夫婦の会話をモチーフにした短い小説です。女中もおらず、新年の来客もな…

『金色夜叉』(尾崎紅葉、1898)

私が一番好きな小説で、この本との出会いは私の人生をかなり変えている気がします。 金色夜叉 作者:尾崎 紅葉 Amazon 尾崎紅葉の長編小説で、読売新聞で連載されていた恋愛小説です。お宮は貫一の許嫁であり、貫一は両親のいない孤独の身にして、お宮の家に…