失われた時を求めて

読書に始まる自伝的ブログ

近代文学(日本)

『三島由紀夫レター教室』(三島由紀夫、1991)

家にモノが増えて来て整理をしていました。本は特に溜まりがちで、山積みにされているものを人に譲ったり、追加したカラーボックスに入れたり、そんな週末です。昔、カズレーザーが「一度読んだ本は処分する。また読む時は買えばいいし、読み返す本は少ない…

『暗闇のトンネル』(川崎栄子、2021)

最近は社会人人生で一番忙しいくらい忙しくて、海の日の週末も半日くらいは仕事をしていますが、ここ3週間くらいで久しぶりにスキマができて情緒のスイッチが入り、ブログを書く気分になりました。 私はYoutubeの街録chが好きですが、そこで脱北者の川崎栄子…

『人間の條件』③(五味側純平、1956)

今月はずっと忙しくてずっと体調が悪く、なんか運気が停滞してしまっているかのような一か月でした。もともと体力はあるけれど、免疫が弱いという特徴を持っている人間ではありますが、一か月に2回風邪をひいたのは初めてです。GWも全く遊んでいないのに、…

『夜に星を放つ』(2022、窪美澄)

昨年の直木賞受賞作品で、本屋で平置きされているのを買って、そのまま家で平置きして一年くらい寝かせてしまいました。ゴールデンウィークは暇で、本を読むか友達の仕事を手伝ったりで、ちょうど読書とブログ日和な日々を過ごしております。 夜に星を放つ (…

『妖術』(泉鏡花、1911)

泉鏡花は昔から好きで、文学への興味、演劇への興味はどちらも泉鏡花から発していると思います。青空文庫もKindle版で読むと、メモもかけるし、読みやすいしいいですね。 妖術 作者:泉 鏡花 Amazon 図書カード:妖術 雨の日に美女と相合傘をしながら、楽しい…

『桜の樹の下には』(梶井基次郎、1972)

2022年11月、母方の祖父の葬儀がありました。今生の別れというものはいくら経験しても慣れませんが、葬儀自体はとても良い葬儀でした。そのことは日を改めて書き記そうとは思うのですが、様々な感情の起伏があり陰のモードというか闇のモードというか、文学…

『堕落論』(坂口安吾、1946)

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。 2022年末は、青春18きっぷの旅に出たり、恋をしたり、本を読んだり、仕事や人生について色々考えたり、なんか満ちた時間を過ごしていました。しかし1月1日くらいから堕落した生活を送ってしま…

『春の雪(豊饒の海 第一巻)』(三島由紀夫、1969)

冬になると内省的なモードに入っていきまして、2023年を目前に2023年/27歳をどう過ごすかを考え、人に話して、整理するという作業を始めています。 20代をどう過ごすかを考えるなかで、「27歳で人生が終わるかもしれないな」という昔から抱いている感覚が昔…

『斜陽』(太宰治、1947)

太宰治の代表作の一つで、戦後の華族の没落を描いた作品です。当主を失った文京区西片町の一家、戦地から帰らない生死不明の長男、姉である長女、母。戦後で生活資金がなく、伊豆に越す。叔父からの支援もアテにできないなかで、生きていた弟が家に戻る。稼…

『美しい星』(三島由紀夫、1962)

高校生の頃、私は三島由紀夫ヘッズであり、学校の図書館の旧書庫から旧字体の三島由紀夫全集を借りて読み漁り、終いには地元の古本屋で同じ全集を見つけて買ってしまった人間です。読めない旧字体を電子辞書を使って必死に調べ、読み進めたのが懐かしいです…

『夢十夜』(夏目漱石、1908)

最近、Kindle Unlimitedの存在を知りまして、懐かしの本を読んだり、雑誌を読んだり、便利さを享受しております。高校生の頃に読んで、久しぶりに再会したのがこの『夢十夜』です。結局、著作権が切れているので青空文庫でも読めるのですが、kindleはマーカ…

『街の幸福』(小川未明、1929)

不動産会社というのは10月から3月頃が忙しく、決算対策で不動産を売り買いしたいというニーズが高まり、"不動"産が動きに動き、てんてこ舞いとなる。そんな3月が終わると、会社決算を出す経理的な処理の部署は忙しなるが、営業部署はGW明けまでは閑古鳥が鳴…

『餅』(岡本かの子、1933)

いくつかネタは温めているものの、重たくなってしまい貯めております。新たなネタ・気付きを得るために、青空文庫を漁っていると、目にとまったこの本に手を取りました。 正月、新婚の夫婦の会話をモチーフにした短い小説です。女中もおらず、新年の来客もな…

『高瀬舟』(森鷗外、1916)

青空文庫を見ていると、非常に懐かしいタイトルをみつけ、思わず手にとってしまいました。それが森鷗外の『高瀬舟』で、小学生の頃に読んだことを思い出しました。中学受験や大学受験というのは、よく出る作家というのが決まっており、森鷗外は中学受験のよ…

「眼にて云ふ」(宮沢賢治)

今日は長期出張で、記事の書き置きもなくなりまして、昔読んだビジネス本から、隙間を見つけて一生懸命記事を書いていました。しかし、編集投稿時にアプリがクラッシュし、記事が飛びまして、気持ちが萎えています。ただ毎日記事をあげるという自分との約束…

『金色夜叉』(尾崎紅葉、1898)

私が一番好きな小説で、この本との出会いは私の人生をかなり変えている気がします。 金色夜叉 作者:尾崎 紅葉 Amazon 尾崎紅葉の長編小説で、読売新聞で連載されていた恋愛小説です。お宮は貫一の許嫁であり、貫一は両親のいない孤独の身にして、お宮の家に…