失われた時を求めて

読書に始まる自伝的ブログ

『スマホ脳』(アンデシュ・ハクセン、2019)

au回線の通信障害があり、スマートフォンを使えない週末でした。はじめはかなりイライラしたものですが、デジタルデトックスのような感じがして、取り置いていた考えたいことや、溜まってしまった読書や、充実した時間となった。15分・30分という時間でこんなにも色々やれるんだと感じました。

 

そんななかで思い出したのが、この『スマホ脳』という本で、数年前のベストセラーです。

当時読んだうろ覚えで書いてますが、人間というのは注意力散漫になるようにできているという話で、結論スマホSNSはその本能を巧みに刺激するツールで、危ないよという話だった記憶です。太古の世界では集中してしまって茂みがガサガサ揺れたり、地響きがなったりという、危険なシグナルを見落としてしまう人間は、死に至ります。人間という生物は、注意力散漫になるように選別・進化しているのです。そこで現代社会のスマホSNSは、注意力散漫に巧みにアプローチします。手に取ると通知が来ているか・来ていないか、いいねか嫌なコメントか、一つタップするとどうなるかわからないという現象が、脳を中毒にするというお話でした。もっと専門的に書いてあった気もしますが、パブロフの犬の部分強化のような理屈だったと思います。

 

スマホがあるからこうやっていつでもブログを書いたり、会いたい人に連絡を取ったり、気になったことを調べたり、決済したり、電車に乗ったりできるわけですが、ないならないでなんとかなると言うことを感じた1日でした。(カフェで止まれば、Wi-Fiで連絡できますし)

 

平安時代深草小将は百夜通いの最終日で亡くなったそうですが、現代社会の僕らは下手すると毎分毎秒、気になるあの子にメッセージをしたためて送っているわけです。冷静に考えれば、毎秒スマホを開いても返事もないわけで、週末くらいはスマホを置いても良いなと感じた週末でした。