失われた時を求めて

読書に始まる自伝的ブログ

『ルポ路上生活』(國友公司、2021)

さらば青春の光YouTubeチャンネルで、本の作者のインタビューをするという企画があり、そこで興味を持って手に取りました。

著者が実際に3ヶ月間路上生活をしてみるという企画で、全く知らなかった実態が見えてきて、大変面白い本でした。

ホームレスは炊き出しや福祉団体の支援で生きるのには困らないこと、炊き出しは実は生活保護受給者のほうが多いこと、缶拾いなんかせずとも"手配師"の話や路上生活者の年金や医療の話、また何よりホームレス生活の一番の辛さは、やることがなくて暇なことみたいです。知る由のないことをたくさん知れました。

最近、三点ユニットのワンルームマンション投資をはじめまして、入居希望者さんやテナントさんと話す機会も増えてきました。あと警備会社の経営者とも話す機会があり、従業員さんの話を聞く機会もありました。いろんな人がいて、みんな必死だったり、だましだましだったり、楽しくもあり、辛くもあり、ともあれなんとか生きています。

日本は衰退しているようにも感じますが、どんな人でも生きやすい世の中の制度はあるように思います。生活保護+タイミーや警備会社的な雇用でも生きられますし、炊き出しがこんなにもあったり、起業しようと思えば金融公庫がめちゃ緩い審査で低金利で貸してくれますし、結構いい世の中だなと思うのです。

また日本では"世間"と呼ばれる同調圧力が強いと言われますが、アメリカとかのパリピ擬態文化や隠しきれない差別の歴史をみると、そんなこともないというか、気にしないで生きようと自分が決めさえすれば、生きやすい国であるように思います。

昔は色々不満も感じていましたが、ニュースで悲観的な誇張された物語を摂取しすぎて、それを真に受けすぎていたのかもしれないです。その悲観的な物語に自分を重ね、辛さを文学や哲学でやり過ごす青春で、あの時期はあの時期でいまの自分の糧ではあるけれども、もっと楽しくアグレッシブに在れたらもっと良かったよなと思います。

世の中のほとんどは感情の問題で、きっと孤独すぎなければ人はハッピーなんだと思います。そして孤独とは100%主観の心理現象で、解消の仕方ややり過ごし方は無数にあると、個人的には結論付けています。

みんなが生きやすい世の中であってほしいものです。