暇すぎて手にとったシリーズ②ですが、面白くてすぐに読み終えてしまいました。
あらすじ
小学生の慎一と春也は「ヤドカミ様」なる願い事遊びを考え出す。100円欲しい、いじめっ子をこらしめる――他愛ない儀式はいつしかより切実な願いへと変わり、子供たちのやり場のない「祈り」が周囲の大人に、そして彼ら自身に暗い刃を向ける……。
注目度ナンバー1の著者による最新長篇小説。鎌倉の風や潮のにおいまで感じさせる瑞々しい筆致で描かれる、少年たちのひと夏が切なく胸に迫ります。直木賞受賞。/文藝春秋
転校生で馴染めておらず父を亡くした慎一、父から家庭内暴力をうける春也、母を亡くした少女鳴海。小学3年生の3人が、家庭や学校での居場所のなさを、秘密の儀式(ヤドカリをあぶる)ことで”ヤドカミ様”に救いを求めます。親の”不倫”や恋の三角関係、少年時代の何とも言えない心の動きを描いた作品です。
読んでよかったなと思える作品でした。少年の心の”切なさ”と”グロさ”が来る読書体験でした。幼少期は逃げ道がないというか、世界を変える力や環境を変える力・考え方を変える力を持ちません。そして一方で感受性が強いし、些細なことでも食らいやすいから、「まあこういうことってあるよね、仕方ないよね」で済まない時期でもあります。故に、本作の3人が相対している現実は、辛い事実ではあるのだけれど、それを解消する方法がちょっとえぐい感じがします。大人が思うより当人はダメージを食らってるし、それを乗り越えるための手段がちょっとえぐすぎるというか、子供の繊細さと残酷さを描いたいい話だなと思いました。
一方で私が結構苦手なジャンルとか時期でもあって、個人的には結構嫌な気持ちになりました。グルグル巻きにして縛って記憶の奥底に沈めた、当時の嫌なことをいっぱい思い出しました。それこそ亡くなる前に母と喧嘩して嫌なことを言って謝らないまま別れてしまったこと、或いは反抗期で教師に当たって謝らなかったこと。もっとやるせないのだと、学童の一個下の子が母に殺されたこと。たぶん一生思い出さなかったかもしれないことを、今回思い出して鬱になりました。
まあたぶん今後もし私に子供が生まれたら、自分の引き出しから出す時が来るのかもしれないけれど、本当に鬱になる読書体験でした。あんまり細かく書くと病みそうなので、こんな感じで。





