失われた時を求めて

読書に始まる自伝的ブログ

『妖術』(泉鏡花、1911)

泉鏡花は昔から好きで、文学への興味、演劇への興味はどちらも泉鏡花から発していると思います。青空文庫Kindle版で読むと、メモもかけるし、読みやすいしいいですね。

図書カード:妖術

雨の日に美女と相合傘をしながら、楽しい夜を過ごすのですが、最後は狐につままれたようになる話です。泉鏡花はやっぱり美しい日本語で気持ちがいいですね。リズム感が心地良いです。

読みながら思い出すのは、私ってだめだなと最近しばしば思う話です。飲みすぎて失敗しています。昔から成長していないなというか、年々心は幼くなってる気がします。楽しい夜ではあったのですが、起きたら終電の我孫子でした。我孫子は本当に何もなくて、手賀沼も近いのですごい湿気と霧で異世界の様でした。駅前の電気は唯一ある本屋の一階をファミマにしているフランチャイズ感満載のコンビニだけで、すぐ近くには潰れた居酒屋とサトームセンの跡地がそのまま残っていました。霧とその時代の止まった様子から『猿の惑星』を思い出しました。夜を楽しみすぎて、お酒も飲みすぎて、狐につままれたというか異世界転生した気分でした。きさらぎ駅とは、我孫子のことなのかもしれないです。

私は江戸っ子に昔から憧れているところがあります。祖父が両国生まれの土木の会社をやっていたので、その影響に依るところが大きいと思います。結局、文学部的な性根のねじ曲がりに、江戸っ子的な口の悪さが移ってしまい、憧れた祖父や渥美清のような気質には育ちませんでした。ただ宵越しの銭は持たない・女性に弱いというエセ破天荒気質は、遺伝なのか教育的なところなのか、そんな特性を持っています。

歓送迎会シーズン。楽しい出逢いと別れと、桜とお酒と。満喫してまいります。