今月はずっと忙しくてずっと体調が悪く、なんか運気が停滞してしまっているかのような一か月でした。もともと体力はあるけれど、免疫が弱いという特徴を持っている人間ではありますが、一か月に2回風邪をひいたのは初めてです。GWも全く遊んでいないのに、有給休暇を2日分も使ってしまいました。「寒気もひどいし、身体に力も入らないし、もうずっと寝てたいな。」みたいな投げやりモード全開だったのですが、『人間の條件』を読んで自分を奮い立たせる気持ちを思い出しました。
最近やっと読み終わりました。人間が限界のなかで限界を超えていくときに出てくるピュアな感情、理不尽と向き合う人間、本当に良い小説でした。また読み返したいときとか、書きたいときに4-6巻について取り上げるかもしれないです。
梶と小原は防寒外套を着込んで、零下三十二度の闇の舎外へ出て行った。
五歩と歩かぬうちに、目の働きが自由を失った。無慈悲な風に刺されて涙ぐむと、それが凍るのだ。防寒被服から露出しているのは、僅かに眼の囲
りと口のあたりだけである。その部分は、直に冷たく強張って、感覚がなくなった。裏毛のついた鼻当ては、呼吸のたびに霜柱を増やして、間もなく夜目にも白い氷の花を顔のまん中に咲かせた、五十歩と来ぬうちに、二人とも体の芯から慄えはじめた。
「星が見えるか?」
梶が小原に尋ねた。尋ねてから、気がついた。見えるわけがない。小原の眼鏡は完全に不透明な氷の板になっているはずだ。
「見えないよ」
小原は夜空を見上げるのとは反対に、首を垂れて、鈍く生白い光を放っている地面に目を落としていた。
「星も凍っている」
梶が呟いた。
「瞬きもしないんだ。こっちの眼がどうかなっちゃったんだな」
梶は、この寒夜のきびしさを、美千代に書いてやろうと思った。随分古兵に殴られて、またその上をこの北風に斬りつけられているけれども、彼の心の中はまだ温かい。決して冷凍はしていない。生命の灯がともり続けて、愛することを求めている。美千代はそれを僅か数行の文面から感じ取るだろう。そして、美千代もまた、生命の火をたかく掲げて、遠く、こちらへ合図を送ってくれるだろう。
頑張ろうという気持ちを思い出させてくれました。そこでいまは頑張りスイッチが入りなおしたばかりなので、あんまり良い文章が書けないですが、思い出したのが私が年頭所感的に書いた書き物です。我ながら良い内容だなと思うのですが、その時の気持ちを忘れてしまっていたことを思い出しました。下記に改めて残して、今日から切り替えて頑張ります…
【年頭所感】
(そういえば、そのパーソナルジムも通いにくい場所に移転して辞めてしまいました…最近松戸から引っ越そうかなと思っていて、ジム難民です。家で鍛えるか。)