友達本屋という本屋さんで出会った本です。樺沢紫苑さんはYouTubeで観たことがあって、気になって手に取りました。
友達本屋(Instagram)
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精神科医の立場から、医学的・科学的に幸福というものを整理し、実践としてどのようにすべきかということを明らかにしている本です。
脳内物質のなかで三大要素とされるセロトニン・オキシトシン・ドーパミンですが、それぞれ下記のように分類されるそうです。
セロトニン …心と体の健康の幸せ
オキシトシン…つながりと愛の幸せ
ドーパミン …成功とお金の幸せ
全てが大事な要素ですが、上から順番に達成することが大切で、体を大事にしないと成功の幸せもないよといった当たり前といえば当たり前ですが、それを科学的な観点で平易に解説しています。
知らなくて面白かった点もいくつかあったので、ブログの最後に読書メモ・備忘録的に記載します。
私はこういった話を昔から考えるのが好きで、唯物主義者・科学主義者というか、幸福とか人間の行動というものは全て脳内の科学的な物質の変化が規定し、各人間の行動が積み重なって社会や経済は成り立ち、歴史となるというような発想でした。マルクスにあこがれていたので、経済学の規定する効用という概念をもっと各人の幸福とか行動原理のようなものに置き換えたら、世の中のことをもっと精緻に書き示すことができて、世の中をよくすることが出来るのではないかと思って、学者になろうかなと思っていました。ラプラスの悪魔的な発想で、人間の脳内のことがもっとわかって、社会がもっと効率的になって、AIとかデータ分析がもっと高速になれば、社会はもっと平和で幸福なものになるのではという危険な理想論を持っていました。
上記の多感な10代から20代前半を経て、最近は唯心論的・倫理学的な立場になってきています。そんなに大した話でもないですが、結局社会を変えるより各個人が在り方を変える方がより良い社会になるというか、社会を変えるのは無理だという結論です。一個前の『七つの習慣』の記事のミッションステートメントの話にも通ずるのですが、幸せ
という感情を得るまでに自分の中で解釈し処理する過程があり、その過程は自分の在り方で変えられるという考えです。そして他者を幸せにするためにも、その人自身の解釈する尺度が歪んでいたら幸せに至らずに終わってしまうという考えです。
結局は実存や気分の哲学というか、社会をより良くするには自分の在り方を変えて、他者に対しては影響の輪の範囲で変わってもらったり、そもそも自分やかかわり方を変えるのがいいのかなと思い至りました。
上記は今まであんまり言語化できてなかったんですが、モンクモードの年末年始で『死に至る病』『存在と時間』『夜の霧』『七つの習慣』あたりを読み返して整理がつきました。
平和に幸せに生きたいものです。
<読書メモ>
セロトニン的幸福
・今にフォーカスし、幸福をかみしめる
・運動や瞑想
オキシトシン的幸福
・親しい関係を築ける人の限界は5-6名(社会学的観点)
・親切をするだけで幸福度が高まる、自尊感情が高まる
ドーパミン的幸福
・年収800万円でお金の幸福は逓減するが、お金を使うとき感謝するとお金が戻ってる(オキシトシン的幸福×ドーパミン的幸福)
・天職…自己実現と社会貢献が一致した状態
・楽しい人が成功する、仕事でドーパミンが出る人とストレスホルモンのコルチゾ―ルが出る人の生産性の違い
・承認欲求との付き合い方:オキシトシン的承認とドーパミン的承認、オキシトシン的承認が大切で、プロセスに共感的な態度をとるほうが幸福が長続きする
・自己実現には遊びが重要:時間を忘れて没入するフロー状態の効用
・フロー状態:ドーパミン、オキシトシン、エンドルフィン(鎮痛)、ノルアドレナリン(集中力)、アナンダミド→エネルギーの充電や創造性を高める効果