失われた時を求めて

読書に始まる自伝的ブログ

『僕は「脱北」YouTuber』①(キム・ヨセフ、2022)

私は街録chとかの影響で、最近北朝鮮の話や脱北YouTuberの話をよく観ています。そのなかでキム・ヨセフさんという方のYouTubeがめちゃ好きで、本も読ませていただきました。

5人兄弟の7人家族で父以外の全員が餓死、18の頃に父が生きていることを知り一度目の脱北を試み失敗。苦しい留置所暮らしを経て解放され、5年後の23歳に脱獄します。その後は韓国で働き、日本に来て大学へ通い、いまは就職してサラリーマンをしながら、"脱北"YouTuberとして北朝鮮のリアルやヨセフさんの考えを発信しています。

【キム・ヨセフさんのYouTubeチャンネル】

https://youtube.com/@yosehu-kim

私は動画を見始めてから大ファンで、生き方を勉強させてもらっていると思うし、一生懸命に人生を大切に生きようと刺激をもらっています。泰然としてすべてを受け入れ、そのうえで貫くべきことは貫き、社会がより良い方向に向かうよう発信していく。そして愛する家族や助けてくれる友人・仲間のために動く。人間としてピュアで美しい生き様に心打たれるのです。

僕は北朝鮮の政権を悪く言うつもりもなく、ただ自分の経験を伝えたいだけです。 何かを恐れて言葉を失うのなら、この世界に生きる意味がどこにあるのでしょうか。もちろんリスクはありますが、人はいずれ死ぬのだし、死ぬときはそれまでだ、と思っています。

脱北後、学歴も地縁もない社会で生き残るために、僕が大事にしていることが2つある。

その1つが、「信用を守ること」だ。何も持たない僕は、自分がどんな人間で、どんなことができるかということをアピールしなければならないが、その中で一番大事なのが信頼関係だと思っている。約束は必ず守る。言行不一致は許されない。やってあげると言ったのに、できない人にはなりたくない。

もう1つは、「受けた恩は必ず返すこと」。韓国では社会に適応するまで、多くの人に助けてもらった。彼らからしたら、友達として親切にした 程度の認識かもしれないが、僕にとっては恩人だ。それは日本でも同じで、ちょっとした心遣いや何気 ないひと言で救われたことが何度もあった。今でもずっと恩を感じている。 僕はいろんな人と仲良くできるタイプではないけれど、助けてくれた人は大事にする。

この2つは、僕が脱北後に改めて得た大きな学びだ。 一方、北朝鮮社会で学んだことのほとんどは、 今では役に立たない(苛酷な環境で生きるための強さや根性は役に立っているが)。

「苦難の行軍」時代には、馬鹿正直にお上の言うとおりにした人間から先に死んでいった。そんな経験 から、北朝鮮社会では、どんな手段を使ってでも生き延びることが正義という価値観がまかり通っていた。法よりも力に価値があるとされ、権力者となって弱者を搾取し賄賂を得て裕福に生きることに皆、 れている。他人の口の中の飴でも奪って飲み込む、そんな社会なのだ。

私の信念としてどんな人間でも、心の奥底には人を想う気持ちがあると信じています。そのうえでわかり合うえるかというと、色々な欲や世俗のしがらみ・認知能力や共感能力の程度などの要素によって阻害され、現実問題は難しい場面があるかと思います。

生命保険の仕事をしているときにそんな考えにいたったのですが、どんな合理的で冷血にみえる経営者やがめつく自分のことしか考えてないようにみえる人間でも、1つずつ考えを整理し、まとっている欲や世間体などの仮面を剥がしていくと、そんなピュアな心根を掴めると確信しています。だから私は人と良い関係を築くには、仮面をお互いに剥いでいくプロセスが大事だと思っていて、心根のピュアな愛や生き方の軸を共有すれば、絶対に良い関係が築けると信じています。そうすると相手の反応を気にするという考えにはならないので、「あなたのその選択は本当に正しいですか?」「その発言は良くないと思いますよ」という強い意見を臆せず言えるのです。それは相手に何か恥をかかせてやろうとか私に何かメリットがあるからという次元の会話ではなく、相手を尊重したうえで、お互いが目指す未来のために、どうやって良い選択・より良い生き方をするかという次元の話なのです。

私も最近疲れて心と生き方がザラザラになっていますので、休んで頑張っていこうと思います。

もう一個思い出してきて、書きたい話があるのですが、長くなってきてしまったので、またの機会にします。