失われた時を求めて

読書に始まる自伝的ブログ

『GAFA――四騎士が創り変えた世界――』(スコット・ギャロウェイ、渡会圭子訳、2018)

エモーショナルで「書きたいな~」と思う事件や出来事は蓄積されつつ、最近はそれをブログという読み物として仕上げる気持ちのスイッチが入りません。小説を読む気持ちも起きず、実践的な本を読んでいます。そしてブログの内容は、最近思うことをだらだら書いてエッセイ的な読み物として仕上げている気がします。今日もそんな回です。

この本をどこで買ったか忘れましたが、長く積読で腐りかけていたので読んだ次第です。不朽の名作や歴史の流れで磨かれて輝く書物や読み物も多いですが、こういうジャンルの本は1年たつと腐ってしまいますよね。

要はGAFAがなんですごいかとか今後どうなるかとか、そんな本です。本ブログは読書ブログでなく、自伝ブログの体裁です。私の読書メモは最後にコピペで残すので、内容が知りたい方はそちらへどうぞ。

 

本書のなかでGAFAの成功の8要素という話がでてきて、そのなかに「ビジョンへの投資」と「好感度」という要素があります。そこで「私はヒモ生活をしているな」と思っているということを書きます。

私は個人事業主の保険営業のなかで借金で首が回らず、新卒で入った不動産会社に出戻りで戻っています。売れない保険屋末期も本当にお金がなく、色々な人にお酒やごはんをごちそうになったり、家に泊めてもらったりという、ヒモ生活をしていた訳です。そんな生活をしているなかでふと「こんな生活をしていてはいけないな」と思い立ち、まずは頑張って借金を返そうと思うのです。そして昼間はエコキュートを売るバイトをして、夜は居酒屋でバイトをして、ある程度身ぎれいにして前の会社に戻らせてもらいました。

そんなヒモ生活を脱し、いまはサラリーマンとして半分は営業、半分は事務や諸々の社内外の仕事をしています。営業の側面を見ると、毎月売り上げるという感じではなく年に1‐2件取引をすれば良いので、その取引を生み出す難しさや大変さはあるものの、日々の時間の使い方はある程度自由でに与えられる環境です。そんななかで同業他社の営業仲間と飲みながら話しているときに、こんな話を聴きました。

「最近たまに不安になるんですよ。仕事はうまくいっているけど、毎日知り合いとお茶したり、ごはんをごちそうになったり、飲んでいるだけ。自分の会社と知り合いの社長という両スポンサーに助けてもらって仕事をしているだけです。そうすると自分のスキルは上がっている訳ではないし、歩合もほとんどないので給料は上がらない。それなのにごちそういただいて食べる食事は日々良くなって、高級寿司ばかり食べています。そうして久しぶりに回転寿司に行ったとき、口に合わなくて昔みたいに食べられなくなっている自分に気付いたんです。そのとき、すごい怖くなったんですよね。私のスキルや身分は全く変わっていないのに。」

私もこの話を聴いたとき、はっとなりました。私はその知り合いほどは売れてないし、そこまで高級料理三昧ではないですが、ごちそういただくことに抵抗がなくなっていることを反省しました。当然に感謝はするのですが、「ごちそうさまです!仕事で返します!」なんて言うのですが、そこでいう仕事も、結局は人様のスキルや資本を持ってきてつなげるだけで、私自身が何かできるわけではないなと気づいたのです。人と人・会社と会社をつないで仕事にするのも才能といってくださる人もいますし、それが営業という仕事なのかもしれないですが、このビビりというか、私自身が常に成長していかないと反省したのです。最近の私はヒモというか、港区女子になりかけていたなと。若さと愛嬌だけでなく、別のところで勝負できる人間になれるように自分を磨かないとなと誓った次第です。

まあそもそもよく「稼ぐ力」なんて言いますが、結局は現代社会で必要とされる力とその人自身の力が合致した状況をいうのだと思っています。私が生まれる時代が変われば、目が悪いので狩猟社会では死んでいますし、注意力散漫なので運よく科挙官僚とかになれたらポカをして処刑されていると思います。

そんなことを考えながら、私は会社のヒモであり、関係する全ての人のヒモであるなという気付きを得ました。私はヒモである。ヒモであるからこそ、私を可愛がってくれたり良くしてくれる人には、ハッピーであってほしいし恩返しをしないとなと思うのです。

保険屋時代に先輩は毎回食事を出してくれましたが、こんなことを教わりました。

「恩返しは要らない。恩送りをしなさい。後輩やお客さんにもらった恩を送るのが、この会社の文化だ。」

恩を受け、恩を返す。そして私自身が誰かに恩を送る。そんなヒモの矜持を誓った一日でした。

読書メモ

<アマゾン>
より多くのものをできるだけ楽に集めようとする我々の狩猟本能
小売業はアメリカ経済全体としては成長していない、ゼロサムゲーム
→欲求する前に消費者に届ける
なぜ安い資本を長期間にわたって手に入れられるか?→ストーリーでリングの上手さ
ストーリー:世界最大の店
戦略:低コスト、より多くの選択肢、よし迅速な配送。こうした消費者利益への巨額投資。
通常のビジネス:低金利で資金を借りたら自社株買い。リスクオフ。投資家へ利益を示す。
アマゾン:配送システムなどへの投資。競争相手の息の根を止める。リスクオン。投資家へビジョンを示す。
アマゾンVSポストアマゾン(?)
…アマゾンは人に投資をすることはない。仕事を生まない世界。反対に人の教育や投資をする会社が出てきた。どちらが生き残るか。
<アップル>
アップルはいつも他者からインスピレーションを得る(アイデアを盗む)
スマホのシェアは14.5%だが、全世界のスマホの利器の79%を得ている
贅沢志向は外部で作られるものではなく、我々の遺伝子に刻まれている
ロレックスやランボルギーニを欲しがるようにアップルを欲する。神聖なる完璧さに近づきたいという欲望あついは生殖の欲望
高級ブランドの5条件
1.アイコン的な創業者
2.職人気質
3.垂直統合(メーカー直営店)
4.世界展開
5.高価格
アップルの参入障壁は一等地で優秀な店員がたくさんいるアナログな店舗。他者がまねできない
マーケティングのファネル(ろうと)…認知→検討→購入→指示
フェイスブックは認知を握り、アマゾンは検討を握る
フェイスブックの強さは規模とターゲティング能力
グランドスタディ
1938年から1944年にわたるハーバード大学生の追跡研究→幸福とは愛である
投稿数と恋人の有無の相関。SNS的なつながりと愛。
<グーグル>
知ることとは良き事
グーグルは全てにこたえてくれる
グーグルには知らず知らずに全てを打ち明ける
神となったグーグル
GAFAの共通の8要素>
1.商品の差別化
2.ビジョンへの投資…安い資本を手に入れる
3.世界展開
4.好感度
6.AI
7.キャリアの箔づけになる
8.地の利
歴史は繰り返さないが韻を踏む…マーク・トウェイン
<NEXT GAFAと課題>
・アリババ…3の疎外
・ウーバー…4の疎外。創業者が嫌われている
・テスラ…3がまだ+ビッグデータ不足
マイクロソフトリンクトイン…専門性が強味だが、GAFAに比してスケールしにくい
・エアビー…5の課題。直営はない
IBM…2の不足。固い企業というイメージ
GAFA以後の世界で生き残るには> >
GAFA以後、優秀な人材には生きやすい世の中だが、そうでない人にとっては最悪である
心理的成熟
・好奇心
・当事者意識
・大学に行く…学歴というブランドと友人
・何かを成し遂げた経験
・都市に出よ
・自分のキャリアをよく見せる
・新しいものを受け入れる
・株に投資する
・組織でなく人に誠実に
・好きなことでなく得意なことでキャリアを築く
・不満を口にしない
・セクシーな仕事は儲けが少ない。心理的満足度と反比例する
・身体の頑強さ